書籍紹介

このコーナーでは、いわゆる時代小説を中心に紹介していきます。


主に宮城谷昌光氏、三国志関連その他を扱っております。書籍購入の際の参考にしていただければ、光栄です。

宮城谷昌光氏の本


天空の船ー小説・伊尹伝ー      商の湯王に仕え、夏から商への革命を成功さした、名宰相伊尹
文春文庫 上下巻              の生涯。桑の木によって、九死に一生を得た伊尹は、料理人にな
                  り徐々に能力を発揮して行く。夏に仕え、そして遂には、湯王の
                                 誘いに応じ、商の宰相になる。そして更なる苦難が…


孟嘗君               戦国四君のひとり、食客数千を養った斉の王族田文の数奇な運
講談社 全五巻          命の物語。生後まもなく父に殺されかかるが、何とかその危機を
                 潜り抜け、風洪(白圭)の養子として育てられる。商鞅、孫ビン
                 等の有名人物、そして美女達、多くの登場人物が織り成す、感動
                 の物語。 おすすめ。

重耳 春秋の五覇のひとり、晋の文公重耳、驪姫の乱により国を逃れ 講談社 上中下巻         諸国を十九年放浪し、遂に晋公に就き、中華に覇を唱える。物語                  は、重耳の祖父武公の代から始まる。 重耳の配下を書いた本も                  ある。お勧めの1品。
孟夏の太陽             重耳に仕えた趙衰、その子趙盾、他何代にも渡る趙一族の盛衰 文春文庫             を書く。おすすめ。
介子推               虎おも打ち倒す棒術の名手、介推。重耳に仕え、重耳を脅威の 講談社文庫            暗殺者閹楚から人知れず守る。そして、重耳が晋公に就いた時、                  忽然と消え去る。彼は何を思い重耳の下を去ったのか?
夏姫春秋              絶世の美女夏姫の物語。直木賞受賞作。男達は、夏姫の美貌を 講談社文庫 上下巻        熱望する。しかし手にした男達は次に、世を去っていく。そして                  楚の荘王までおも魅了した彼女は、遂に巫臣と巡り合う。
晏子                斉の将軍晏弱とその子晏嬰、親子二代に渡る歴史長編。晏弱は 新潮文庫 全四巻         人知の及ばぬ策で戦功挙げる。晏嬰は、父の死後孝を尽くし、礼                  を尊び、司馬遷に御者になりたいとまで言わさしめた。荒れ狂う                  時代の中、彼らはどう進み、どう退き、そしてどう生きたのか?
玉人                六篇からなる短篇集。「雨」叔孫豹と、女性との縁、そして… 新潮社              「桃中図」病弱な商人の息子、その世話役の奴隷、桃の木で変わ                  る人生。「歳月」夫そして父を殺された女の見事なまでの復讎。
   青雲はるかに            戦国末期、秦の名宰相范雎。魏の宰相魏斉に肥溜めにまで落と 集英社 上下巻          され死にかかった賎臣が、秦の宰相にまでなり復讎を成す。                  志、友、女性との関係、屈辱、復讎、離別を見事にまであらわ                  した歴史物語。おすすめです。            
長城のかげ             項羽そして劉邦この二人のまわりにいる臣、そして友。彼らを 文藝春秋             通じて、項羽、劉邦二人の英雄が織り成す叙事詩をえがく。                  全五篇の短篇集。おすすめ。
春秋の名君             春秋の名君十二人似ついての小伝と、宮城谷氏が書いた小説が 講談社              できるまでの話や、自分の人生、司馬遼太郎氏のこと。他多数。
侠骨記               短篇集。侠骨記、布衣の人、甘棠の人、買われた宰相の四篇。 講談社文庫            どれを取っても、素晴らしい短篇ばかり。かなりお勧め。                  侠骨記は、魯の曹カイ。布衣の人は、古の聖王舜。甘棠の人は、                  太公望、召公セキ。買われた宰相は、百里奚の話。
沈黙の王              商王高宗武丁、このしゃべれぬ王は放浪の末、文字を得る。 文春文庫             中国で始めて文字を創った王の物語。他四篇。これはおすすめ。
太公望               羌族の羊飼い望は商の紂王の人狩にあい、部族のほとんどが殺 文藝春秋 上中下巻        される。僅かに残った子供達と共に苦難の旅を続け、反商の地下                  組織を作り上げる。そして、様々な策をめぐらしながら周と共に                  商と戦う。 
王家の風日             商王朝最後の王紂王の叔父、箕子。稀有の能力を持ち、宰相と 文春文庫             して、国の繁栄に尽力するが…  太公望と共に読もう。
花の歳月              漢の黎明紀、貧しい家に生まれた猗房は、長老の薦めで、漢の                  王室に入る。しかし、その後代国に下向し王の妃になる。                  人攫いに攫われた弟広国、そして彼女の運命は?
史記の風景             今、読んでます。近日中に更新予定。 新潮社 
奇貨居くべし            今、読んでます。近日中に更新予定。 中央公論社 現在二巻
楽毅                今、読んでます。近日中に更新予定。 新潮社 現在三巻、四巻予定
春秋の色              中国古代の習慣、風俗を紹介。その他自分の人生、教訓等多数 講談社文庫            随筆集。
歴史の活力              中国の古典を現代に結び付け、企業の成功者の秘訣を歴史にな 文春文庫             ぞらえて紹介している。
中国古典の言行録          中国古典の名言を紹介。自己啓発、日常の心得、人間関係、指 文春文庫             導者への帝王学、経営戦略に分け、いくつかの名言を挙げ、人は                  どう生きるのかを説く。 おすすめ。
三国志の本
朝香祥氏、著 正史三国志を元にした小説。周瑜、孫策との物語。左記の八 旋風は江を駆ける(上下巻)    巻が連作になり、周瑜、孫策のほとんどの時期をカバーしてい 江のざわめく刻          る。三国志演義が主な時代の中、めずらしく正史ベースの小説 二龍争戦〜星宿、江を巡る〜    三国志演義では見れない周瑜が見れる。小説としてもかなりの 鳳凰飛翔〜華焔、江を薙ぐ〜    面白さをもつ。一見の価値あり。 旋風の生まれる処(上下巻) 青嵐の夢 集英社コバルト文庫
今戸榮一氏、著 劉備、関羽、張飛の、三人のおもしろエピソード集。桃園結義 桃園結義           に至までや、その後について。張飛のエピソードなどは思わず 光栄社               笑ってしまう。中国各地にある伝説、伝承をまとめた書。◎
超・三国志             今戸榮一氏の書。周大荒氏の反三国志の訳本。地形を当時の 光栄社  上中下巻        ものに直すなど矛盾点を是正し、翻訳している。完全な蜀漢び                  いき。漢の復活なるか?
周瑜伝               今戸榮一氏の書。周瑜の伝説を集め、周瑜の一生を描いた本。 光栄社              表紙の絵はグー。
赤壁秘話              今戸榮一氏の書。赤壁の戦いを魏、呉に分けて紹介する。赤壁 光栄社   全二巻        の戦いのエピソードはもちろん、曹操、徐庶のエピソードなども                  載せている。面白い伝説盛りだくさん。
大場惑氏、著            知勇兼備の将趙雲。劉備を支え、蜀漢おも支えた男の戦いの生 趙雲伝〜放浪の子竜、天翔の騎士〜 涯を描く。長坂坡の英雄の激震の人生。 光栄社   全二巻
北方謙三氏、著           長篇の三国志。三国志が全く違う視点で書かれている。感動の 三国志              叙事詩。呂布が何よりも良い。見事なまでの最後を見せる。何故 角川春樹事務所  全十三巻    呂布や関羽が戦場で死ねないのか?三国志演義でいまいち腑に落                  ちないい所も解決。悲壮なまでに北伐を敢行する諸葛亮。彼は何                  故そこまで北伐にこだわったのか?三国志読む人は、これを読め                  と言えるほどの逸品。涙ぽろぽろ。
吉川英治氏、著           言わずと知れた名小説。これを読んで三国志にはまった人も多 三国志              いであろう。天下は乱れ、賊に荒らされた。その時義勇軍を起し 講談社  全三巻         敢然と立ち向かっていった義侠の人、劉備。その破格なまでの生                  き方は、様々な人を惹きつけていく。劉備がそして劉備に惚れた                  男、諸葛亮の死をもって物語の幕は閉じる。
伴野朗氏、著             趙雲、荀ケ、馬超、陸遜。三国志の負けず劣らぬ英雄達の短 三国志英傑列伝           篇小説集。普通の小説では見れない側面を見せてくれる。 実業之日本社
その他の本
伴野朗氏、著             始皇帝の話。前半、ほとんど呂不韋の話。なかなかいい小説 始皇帝 徳間書店  上下巻
陳舜臣氏、著             ユーラシアを席捲した大帝国モンゴルのハーン、チンギス。 耶律楚材              その男さえもひきつけ、持てる知識をすべてだし殺戮の無意味 集英社  上下巻          さを説き、世界を殺戮から救った男の生き様。おすすめ。
司馬遼太郎氏、著           一介の農民に過ぎなかった男が、不思議な魅力で人を惹きつ 項羽と劉邦             け、乱世に翔け昇る。一方、楚の名門項羽は鬼神のごとき強さ 新潮文庫  上中下巻        で人を惹きつけ、大勢力を築く。劉邦そして項羽二人の                   戦いが、今始まる。おすすめだ。
今戸榮一氏、著             脅威の百七十回本「水滸新伝」の初訳。108人全員にエピ 新・水滸伝             ソードがあり、新た抗遼の話がある。あまりに扱いのひどい女 光栄社  全五巻          英雄の処遇を変えたりしている。晁蓋亡き後、すさまじい内部                   分裂が巻き起こる、異色の水滸伝。
歴史ファンワールド          投稿歴史雑誌。様々なジャンルに対応している。表紙絵は北 光栄社 現在五巻          崎拓氏が担当。ギャグも多いので楽しめるし為になる。◎
安能務氏、著             中国の書「封神演義」を小説にアレンジしたもの。漫画の原 封神演義              作にもなっている様だが、またそれとは、一風違う内容である 講談社文庫  上中下巻       太公望の時代の話、殷周革命のおり、できの悪い仙人とできの                   良い人間とで神界を創る。その中には様々な陰謀が…
許仲琳氏、著              封神演義の完訳本。ストーリーも上記のものとは少し違う。 封神演義              光栄社の爆笑封神演義と共に読もう。 光栄社 上中下巻
一部三宅大輔氏、著          あの歴科研の誇る三宅氏が、詩に挑戦。愛を語った天空の超 愛しています            スペクタクルネヴァーギブアップな大作。
海音寺潮五郎氏、著          平将門の生涯を描いた長篇。伯父達を始めとした一族との戦 平将門                い。従兄貞盛との確執。賄賂政治が横行し、ころころ変わる 新潮文庫 上中下巻          朝廷の態度。そうした中で、戦いに見を置く将門の生涯。
海音寺潮五郎氏、著          武田氏に仕えた幸村の父昌幸、その遠謀深慮な頭で武田家の 真田幸村              滅亡の大乱から逃れ、そして、織田、徳川等の侵攻を跳ね返す 角川文庫 上下巻          幸村も父と共にお家存続に苦心する。さらに、一目惚れした                   武田の姫を守っていく。赤吉なる人物が面白い。この小説                   は、幸村の青年期について書いてある。
海音寺潮五郎氏、著           夏姫、専諸、呂不韋、張角など中国古代を扱った短篇集。 中国妖艶伝              全9篇。大変面白いので、是非読もう。 文春文庫
海音寺潮五郎氏、著           前半が孫武、後半が孫ひん。二人の人生を書いた中篇小説 孫氏                 この本は、かなり面白いので読もう! 講談社文庫
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